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2025年3月14日金曜日

Doricoの音符間隔機能、さてはビミョーだなこれ

一見使い勝手良さげに見える「音符のスペーシングの変更」

 Doricoの音符間隔の機能は、一見他の浄書ソフトよりも先進的で使いやすいように思えます。しかし、実際に音符間隔の機能を使って、音符間隔を調整しようとすると、思ったほどうまく機能しないことに気づきます。今回はDoricoの音符間隔の基本的な機能を紹介するとともに、その問題点を解説します。


それぞれの項目が矛盾し相反している

4分音符のデフォルトのスペーシング

 まず、音符間隔というのは一段に入れる音符の数によって、変わってくるものです。当然、4分音符の間隔も、段の密度によって伸縮するので、具体的な幅を最初から決めつけることはできません。ユーザーにとってはこの設定項目は、直感的には実際の譜面上でどのように機能するか想像しづらいものでしょう。しかしながら実はDoricoはこの値を音符間隔の計算の基準にしてしまっているので、細かい調整を行う際にはユーザーはこの設定を考慮に入れなければならないものになってしまっています。

 では「4分音符のデフォルトのスペーシング」とは一体どんな機能でしょうか。実は音符間隔をスペーシング比率で計算する際に、この値が全ての基準になっており、この値によって求められた各音符の間隔値を用いて、一段の密度が求められています。譜面上に表示されている実際の音符間隔は、水平スペーシング密度が100%になるように伸縮して表示しています。つまり、水平スペーシング密度が90%の場合、10/9倍して表示されていると言えます。

 ここで厄介なのは、Doricoの水平スペーシングの密度は、100%を超えると必要な間隔が破棄されたり、不必要な間隔が突然出現したりする不具合があることです。「4分音符のデフォルトのスペーシング」の値は、水平スペーシングの密度が100%を超えないように設定しなければなりません。

水平スペーシングの密度が100%を超えると、必要なスペースが破棄される

水平スペーシングの密度が100%を超えると、不必要なスペースが突然出現する
 さて、水平スペーシングの密度が100%を超えないように設定するには、一見、4分音符のデフォルトのスペーシングの値を低くすればよいように思われます。実際その通りですが、しかしながら、この値を過剰に下げると、また具合の悪いことが起こってしまうのです。

 音符間隔を個々に調整する際、1操作単位の伸縮幅は、水平スペーシングの密度に依存します。つまり水平スペーシングの密度が高ければ、"Alt+矢印キー"での音符間隔の伸縮量が小さくなり、低ければ伸縮量が大きくなります。「4分音符のデフォルトのスペーシング」の数値を上げれば、水平スペーシングの密度が上がるのでより細かい単位で音符間隔を伸縮させ調整することが可能です。しかしながら前述した通り、水平スペーシングの密度は100%を超えると不具合があるため、原則100%を超えないように数値を調整する必要があります。

上段の方が密度が低いので、1操作単位の伸縮量が大きい
※GIF上の伸縮量はCtrlキー併用
水平スペーシングの密度が同じ場合、伸縮量が同じ

 ただ、水平スペーシングの密度が100%近くになるように数値を調整しても、音符間隔の1操作単位の伸縮幅が大きすぎる場面があるのです。更に困ったことに、音符間隔の伸縮量を数値で手入力することが出来ないので、1操作単位の伸縮幅より細かく伸縮させる方法がないのです。

細かく調整するには伸縮量が大きすぎる

短音符のスペーシング最小値

 一見するとこの機能は、音符間隔の最小値を設定できるように思えます。しかしながら「短音符のスペーシング最小値」を設定したところで、その間隔は水平スペーシングの密度によって伸縮してしまうのです。水平スペーシングの密度が低ければ低くなるにつれ、「短音符のスペーシング最小値」で指定した実際の音符間隔はどんどん広くなってしまいます。この機能によって最小の音符間隔を固定することはできないのです。したがって、ほとんどこの機能は意味をなしていないと言えます。

上下同じスペーシング比率だが、そうは見えない

 この機能が、水平スペーシングの密度の低下に伴い最小の音符間隔が増大する問題を抱えるため、設定値を原則「0」に設定してしまうのが良いでしょう。たとえ「短音符のスペーシング最小値」が「0」であっても、Doricoの標準設定では、隣り合う音符の接触は自動で回避されます。

 レイアウトオプション「音符のスペーシング」の詳細設定で、楽譜の両端揃えを行う場合に「理想的な幅のみを使用」する設定にしている場合、臨時記号などの記号類の接触回避が行われず、スペーシング比率に基づいた音符間隔が優先されます。その設定においては、「短音符のスペーシング最小値」が「0」の場合、密度によっては隣り合う音符がお互いに接触してしまうことがあります。その場合は必要最小限の数値を入力して接触を解消するのが良いでしょう。その場合は、「1+1/4」前後が適当です。

実際の幅を使用 = 臨時記号等の固定スペースを考慮し衝突回避が行われる
理想的な幅のみを使用 = 固定スペースによる衝突回避は行われない
デフォルト設定の「実際の幅を使用」では「短音符のスペーシング最小値」が0でも衝突回避される

 臨時記号とかは固定幅でスペーシングが計算できているのに、「短音符のスペース最小値」が固定幅にならないの謎すぎる……特殊な状況下にない限り、意味を為さない機能なので、「短音符のスペーシング最小値」は「0」で良いのです。


スペーシングの比率

 「スペーシングの比率」は、ある音符に対し2倍の音価をもつ音符の間隔を、R倍に設定して定めるようにして音符間隔を決める際の、比率Rのことです。スペーシング比率が1.5の時、四分音符が1cmの間隔を持つ小節では二分音符は1.5cmの間隔になります。このスペーシング比率に関しては、以前にこちらの記事で解説しています。

 スペーシング比率が高ければ、長い音符がより大きい音符間隔を取ることになります。このため音符間隔の密度が低い譜面に向いていると言えます。


 反対に、音符間隔の密度が高い譜面に対しては、スペーシング比率が低い方が適していると考えられます。

 さて、このように高密度な譜例ではスペーシング密度を下げるべきですが、Doricoの挙動では、スペーシング比率を下げると却って水平スペーシング密度が高くなってしまうことがあります。

 Doricoにおいて、四分音符より大きい音符が多い譜例では、スペーシング比率を高くすると、水平スペーシング密度も高くなります。これはDoricoのスペーシングが四分音符を基準に計算されるため、四分音符よりも大きい音符の計算上のスペースが大きいものになるためです。

音価の長い音符が多い低密度な譜例では、スペーシング比率を上げると水平密度も上がる

 反対に、四分音符より小さい音符が多い場合に、スペーシング比率を低くすると、却って水平スペーシング密度が高くなってしまいます。四分音符より小さい音符では、スペーシング比率が低い方が、四分音符に近い音符間隔になるため、数値上はスペーシング密度が上昇します。

音価の短い音符が多い高密度な譜例では、スペーシング比率を下げると却って水平密度が上がる

 高密度な譜面では、スペーシング比率を下げたいものです。しかしスペーシング比率を下げると、ただでさえ密度が高いのにも関わらず、水平スペーシング密度の数値が上昇してしまいます。

 一応、スペーシング比率を下げて水平スペーシング密度が高くなった場合でも、「四分音符のデフォルトのスペーシング」の数値を下げることで、水平スペーシング密度を下げることができます。この時に「短音符のスペーシング最小値」が「0」であれば、「四分音符のデフォルトのスペーシング」が「0」ではない限り、その数値を下げていっても音符間隔が大きく変化することはありません。


水平スペーシング密度を常に管理する必要がある

 これらの仕様により、Doricoで音符間隔を調整する際に、思ったよりも上手くいかないことがあります。特に、水平スペーシングの密度が100%を超えると起こるバグは厄介です。このため音符間隔を調整する際に、水平スペーシング密度を常に制御する必要があります。

 水平スペーシングの密度を一定範囲内に収めるために、音符間隔を個別に調整する前に以下のことはやっておきましょう。

 ・「短音符のスペーシング最小値」をレイアウト設定から予め「0」にしておく

 ・各組段に「音符スペーシングの変更」を挿入しておく

 ・組段毎の音符密度から直感的に決めた「スペーシング比率」に設定する

 ・水平密度を90%前後にするため「4分音符のデフォルトのスペーシング」の値を調整する

 これらのことを行ってから音符間隔を調整すれば、変な破綻を起こさずに合理的に音符間隔を調整することができると思います。Doricoの癖に結構な手間ですが、はじめから調整不要な組段には、「音符スペーシングの変更」でスペーシングを保護していれば、他のことは行う必要はないですし、浄書オプションの設定を煮詰めていけば個別調整の必要な個所を減らせるでしょう。Doricoは、Doricoの弱点を理解しつつ、上手に付き合っていくことが求められる面倒くさいソフトウェアだと言えます。

…

……

装飾音符のスペーシングもなんか挙動が面倒くさいんだよなぁ


2024年10月25日金曜日

Finaleが開発終了した話

8月26日、突然の発表

 2024年8月26日、楽譜浄書ソフトFinaleが開発終了することが発表されました。Finaleの販売は即日終了し、他社であるSteinberg製の浄書ソフトのDoricoへの移行が推奨されました。FinaleユーザーはDoricoを格安で購入することができますが、使い勝手の全く異なるソフトであるため、誰もが受け入れられるものではなく、多くのユーザーに大きな衝撃と共に困惑がもたらされました。更に発表当初は、ソフトウェアのライセンス認証が発表後1年をもって通らなくなることが言及され、PCが壊れると強制的に他のソフトへ移行しなくてはならないという、とんでもないものでした。これはのちに撤回され、ライセンス認証はしばらく継続されることにはなりましたが、多くのユーザーが他のソフトウェアへの移行を検討しなくてはならないことは変わりません。Finaleの歴史が終わることは決定されてしまったのです。

"The End of Finale", MakeMusic

 Finaleは、2000年以降では、日本の出版譜の中でおそらく99%の楽譜に使われていると言っても過言ではない、圧倒的なシェアを誇るソフトウェアです。今回のFinaleの開発・提供終了によって、楽譜業界や多くのユーザーがどのような決断をするか、注視したいところです。Finale以外の現行の浄書ソフトには、Sibelius, Dorico, KAWAIスコアメーカー, MuseScore, LilyPond等があります。


後継にDoricoが指名された

 Finale終了に伴い、Finale開発会社のMakeMusic社は、FinaleからDoricoへの乗り換えを推奨しており、Finale所有者は格安でDoricoに移行することができます。ただ、FinaleとDoricoは操作性が全く異なるソフトウェアであり、Doricoへの移行以外の選択肢も十分考えられます。Doricoは現状の浄書ソフトの中で最も新参なソフトウェアであり、商業出版に耐えうる浄書能力も視野に入れ開発されているため、従来のソフトウェアにない多くの特徴があります。

・非常に合理的な水平スペーシング 

 Doricoは、浄書ソフトに必要最低限の水平スペーシング機能を備えています。Doricoはデフォルトでも破綻の少ないスペーシングを出力してくれますが、音符間隔を個別に調整する際も、他の音符間隔が破綻することなく自在に調節することが可能です。

 Doricoの水平スペーシングは、スペーシング比率に基づいて一貫して音符間隔が定められます。スペーシング比率とは、四分音符を基準とした場合に、二分音符を四分音符の1.5倍のスペースに定める時の、1.5という割合のことです。音符間隔の密度によってこの適正な比率は異なります。Doricoではこの設定に一貫して音符間隔が定められるため、一段のスペースが飽和しない限り、ほとんど破綻せずに音符間隔が定められます。なおDoricoでは、水平スペーシングの設定は任意の拍で変更することができます。

 Doricoの水平スペーシングは、個別の音符間隔を調整するにも非常に柔軟な機能と挙動を備えています。任意の音符間隔を選択して、相対的に伸縮させたり、絶対位置を変えることは、その両方が浄書ソフトに最低限必要な機能です。Doricoは最初からそれを備えています。

・平坦スラーや複雑な曲線のスラー

 現行の他社製品にはない特徴として、Doricoは平坦スラーや自由曲線スラーを描写することができることが挙げられます。従来の浄書ソフトではベジェ曲線スラーが使われていますが、スラーの中央部が膨らみやすいため、譜面の上下方向が広がりやすくなります。Doricoでは従来のベジェ曲線スラーとは別に、中央部が平坦になっている「平坦スラー」が用意されています。

 また、従来のベジェ曲線スラーでも、スラーのセグメントを増やすことでより自由な曲線のスラーを描くことができます。従来の浄書ソフトではスラーを一つ一つ手動で繋げて描くようなスラーも、Doricoでは単一のスラーで描写可能です。

・加線の長さ

 Doricoは音符毎に加線の長さを調整することができます。加線の長さが固定の場合、加線が連続した音符群と加線のない音符群とでは、音符間隔の縮められる程度が異なります。加線が連続した音符群では、音符間隔を縮めすぎると隣り合った加線が繋がってしまいます。したがって密度の高い譜例では、加線を短くすることで、よりスペースを有効活用することができます。

加線の長さを変えることができる

・専用にデザインされた途中変更の音部記号

 Doricoの標準記譜フォントのBravuraには、通常の音部記号と、途中変更の音部記号が別デザインで用意されています。他の多くの浄書ソフトでは、途中変更の音部記号が通常の音部記号を縮小したものが使われていますが、Doricoではわざわざ専用デザインが用意されています。



 途中変更の音部記号の専用デザインは、Doricoの浄書設定で、通常の音部記号に対し3/4以下の大きさにした場合に適用され、それ以上の大きさの場合は、通常の音部記号の縮小が用いられます。

 コンピュータ浄書が普及する以前、ハンコ浄書や彫版浄書では、通常の音部記号と途中変更の音部記号とで、違うデザインのものが用いられることは、しばしば見られる現象でした。Doricoでわざわざこんなことを復活させるのは、開発者の浄書への拘りがうかがえます。
通常のト音記号と、途中変更のト音記号のデザインが違う
春秋社「リスト集6」より抜粋

・Chaconne Exが発売される

 日本の商業出版で広く使われている記譜フォントの「Chaccone」が、Finaleの開発終了のアナウンスから1カ月半経った10月10日に、SMuFL対応フォントの「Chaconne Ex」の販売が発表されました。10月31日より販売開始される予定です。これによりDoricoに移行しても日本のFinale製の出版譜と同様の見た目で浄書をすることができるようになります。

ストーンミュージック「Chaconne Ex」


Sibeliusがセールやってる件

 商業出版において、Sibeliusは二番手の楽譜浄書ソフトと言えます。日本においては、出版譜はほとんどFinaleで作られていますが、海外ではSibeliusもFinaleに並んで広く出版譜に用いられています。Finaleの開発終了にあたって、日本の代理店であるTAC Systemが、永続版Sibeliusの乗り換え価格を12/31までの期間限定で提供しています。開発元のAvidでも永続版の乗り換え価格は提供されておらず、永続版ライセンスは本来9万円超えの価格なので、2万円程度の格安価格で永続版が手に入るのは、滅多にないチャンスと言えます。

TACSYSTEM「Sibelius 乗換版セール開催! -Finaleからのクロスグレード」

 私は、サブスクリプションでは使用頻度の少ないソフトを買うつもりはありませんでしたが、永続版が安く手に入る機会が来たため、今回Sibeliusを買ってしまいました。Sibeliusを使う優先度は低いので、当分Sibeliusに関する発信はできないですが、なにかの機会に試してみたいと思っています。


MuseScoreも十分使える

 MuseScoreは、無料で使える上に、浄書する上でも十分な機能が備わっています。フリーソフトなので本格的な浄書ソフトほどには綺麗に楽譜が書けないと思われがちですが、ブログでも散々発信してきたとおり、楽譜浄書能力において他の浄書ソフトに劣るものではありません。極めれば自由自在かつ最高品質の楽譜浄書を実現することが可能です。

・スペーシングが改善されたMuseScore 4

 MuseScore 3 までのMuseScoreは、水平スペーシングの仕様に欠陥があり、デフォルトでは揃うべき音符間隔が揃っておらず、それを個別調整で矯正することも困難でした。このため、MuseScoreで作られたほとんどの譜面は、お世辞にも綺麗な楽譜とは言えず、FinaleやSibeliusとは違いプロのツールとは見なされていませんでした。しかしながら、MuseScore 4 では水平スペーシングの機能が抜本的に見直され、デフォルトで妥当な音符間隔が出力されるようになりました。また音符間隔を個別に調整するのも容易になったため、ユーザーに浄書の知識があれば、他のソフトに劣ることなく非常に綺麗に浄書ができるようになりました。


 MuseScore 4 を使えば、こんな感じで浄書ができます。コツさえ掴めば難しくありませんよ。


・個別調整を邪魔しないシンプルなMuseScore 2

 ただ、私はMuseScore 4 よりもMuseScore 2 の方が遥かに愛着があります。私がMuseScore 2 を愛用していたのは、何でも書けてしまうぐらいユーザーの操作に対して素直に動いてくれるからです。

非常に手間はかかるが、MuseScore 2 で書ける
佐藤慶次郎「ピアノのためのカリグラフィー」の一部分をHashibosoPが複写


 最新版のMuseScore 4 では、簡単には浄書が崩れないようになっており、細かい調整をしなくても、ある程度整った譜面に仕上げることが可能になっています。しかし、その分ユーザーの操作を制限しがちであり、細かい調整を行うのに邪魔な挙動が多々見られるようになりました。私が愛用してきた旧来版のMuseScore 2 は、ユーザーの操作に対し非常に素直に反応してくれるので、細かい調整がやりやすいだけでなく、機能にない表記を無理やり再現することも、ソフトウェア側の妨害なく行うことができます。しかしながら、MuseScore 2 のこうしたリミッターのない素直な挙動は、容易に浄書を崩してしまうことも可能になってしまうので、今更旧版をオススメはしにくいでしょう。

 MuseScore 2 の最大の欠点は、水平スペーシングが常に破綻している点ですが、多少手間がかかりますが解決法があります。弊ブログで紹介している一段一小節法を使えば、正確なスペーシングで浄書をすることができます。ユーザーの操作に対し素直な挙動と、正確なスペーシングを両立させることができるため、私にとっては最強の楽譜浄書ツールだと言えます。


LilyPond

・テキストベースで記譜

 LilyPondはテキストベースで記譜する、フリーの楽譜浄書ソフトウェアです。テキストによりコーディングしたものを、LilyPondでコンパイルすることでPDFファイルやSVG等に出力されます。GUIでないことや再生機能がないことで、ユーザーを選ぶソフトウェアではあります。しかし、その代わり記譜の自由度は非常に高く、特殊なものでも書けてしまいます。

右から左へ記述することすら可能
"Arabic chant", LilyPond Snippet Repository より引用


最後に

 Finaleの終了に伴い、Finaleの開発元はDoricoへの移行を推奨していますが、FinaleとDoricoの操作性が全く異なるため、必ずしもDoricoへの移行が進むとも限りません。Doricoの他にも実績のあるSibeliusや無料で使えるMuseScoreなどのライバルがあります。それらはどれも楽譜を書き表す上で十分な能力を備えており、優劣を明確につけることはできません。どのソフトにもそれぞれ共通する楽譜浄書のエッセンスや、それぞれ独自のエッセンスが含まれています。どんな浄書ソフトが主流になるにしても、それらのエッセンスが失われることなく、楽譜浄書という技術や文化はなるべく続いていくべきだと思っています。楽譜浄書の未来が明るいことを祈っています。

2022年11月24日木曜日

Doricoで音が出ない時の対処法

 Doricoをインストールして音が出ない時、Dorico公式がトラブルシューティング動画を出しているので、それを参照すると良いです。

Doricoでの再生に関する問題のトラブルシューティングサポート

 初めてSteingberg製品を使用する場合、オーディオ設定をチェックする必要があります。コンピュータ側のサウンド設定を、16bit, 44100Hzに設定すると、音が鳴るかもしれません。

 詳しくは公式のトラブルシューティングを見てください。

Doricoの音符間隔機能、さてはビミョーだなこれ

一見使い勝手良さげに見える「音符のスペーシングの変更」  Doricoの音符間隔の機能は、一見他の浄書ソフトよりも先進的で使いやすいように思えます。しかし、実際に音符間隔の機能を使って、音符間隔を調整しようとすると、思ったほどうまく機能しないことに気づきます。今回はDoricoの...