2019年4月29日月曜日

MuseScoreで空の譜表を隠す設定にした時に、空の譜表を隠さない方法


 MuseScoreのスタイルの編集の「スコア」のところで「空の譜表を隠す」設定にすると、段の中で音符の無い譜表が非表示になります。右上の譜例は混声合唱の曲ですが、このようにソロのパート以外のパートを表示させたくない場合にこの機能を使います。
 しかしこの設定が有効になっている時に、表示させたい空の譜表があると、その譜表も非表示になってしまいます。例えば左の譜例の赤枠部分は、空の譜表のために非表示になってしまいます。一つの楽譜で、空の譜表を隠したい段と、隠したくない段が両方ある場合、ちょっとしたテクニックが必要です。


 「空の譜表を隠す」設定時に、特定の段で空の譜表を表示したい時は、非表示の音符を入れると表示されます。つまり「空の譜表」ではないようにすることで、表示されるのです。声部1以外の声部で全音符を入れ、それを非表示・非再生にすることで、空の譜表を表示させることが出来ます。

2019年4月13日土曜日

過去のver.のMuseScoreをインストールする

 MuseScoreをインストールする時、公式ページ(https://musescore.org/ja)の緑色の「無料ダウンロード」からダウンロードすると、最新のバージョンのMuseScoreがダウンロードできます。


 過去のバージョンをインストールしたい場合は上の方にある「ダウンロード」をクリックします。

 すると左のように、ダウンロードの画面(https://musescore.org/ja/download)になります。そこで「古いバージョン」をクリックすると、ページの下の方にある「過去およびサポート外のバージョン」のところに飛びます。そこの「全てのプラットフォーム向けのほかのバージョン」をクリックすると、任意のバージョンのMuseScoreをダウンロードすることが出来ます。


 MuseScoreにはMuseScore1,2,3の各種バージョンがあります。それぞれ仕様と使い勝手は別ソフトのように異なります。それぞれ特性が異なるので使用用途によって使いやすいバージョンは異なります。ここではっきり断言しますが、楽譜浄書の用途で最も自由度が高いのはMuseScore2です。


 MuseScore3で追加された新機能についてはこちらの記事を見てください。
MuseScore3の新機能

 MuseScore3の欠点や不適切な仕様に関して、いくつか記事を書いています。
MuseScore3の最大の欠点
MuseScore3のリピート線の位置について
MuseScoreの小譜表での小節線の太さ

2019年4月10日水曜日

MuseScoreの小譜表での小節線の太さ

 MuseScoreで通常のサイズの譜表と小譜表を同時に用いる時、注意すべき設定があります。MuseScoreのデフォルトでは、小節線は譜表サイズによってその太さが変わります。右図のように譜表が独立している場合であれば、MuseScore2であれば、小節線の太さが譜表サイズに準じていること自体は問題になりません。しかしMuseScore3の場合は、小節線の位置が不適切になってしまっています。

 MuseScore2であってもMuseScore3であっても、譜表サイズによって小節線の太さを変えないように設定することを強く推奨します。特にMuseScore3.0.5の現状ではこの設定は必須です。「スタイルの編集」の「縦線」にある「縦線を譜表サイズに調整」のチェックを外すと、譜表サイズに依らず小節線の太さは一定になります。このチェックを外すことを強く推奨します。


 「縦線を譜表サイズに調整」が有効になっていると次のような問題が発生します。
 MuseScore2の場合、上図左のように小譜表が独立している場合は小節線が適切に配置されています。しかし小節線を下に伸ばすと、上図右のように小譜表の小節線のサイズが、下の譜表まで適用されてしまいます。従ってMuseScore2の場合は、上図右のように異なったサイズの譜表を小節線で一つにまとめる場合は、必ず「縦線を譜表サイズに調整」のチェックを外しておくべきです。上図左のように異なったサイズの譜表がそれぞれ独立している場合はその必要はありません。


 MuseScore3の場合、太さの異なる小節線が全て左揃えになってしまっています。これは不適切です。上図右のように、小節線を下まで伸ばしても小節線の太さが譜表サイズに依るようになったのは改良点ではあります。しかし小節線の位置が全くおかしいため、上図左でも上図右でも使い物になりません。従ってMuseScore3では、いかなる場合でも「縦線を譜表サイズに調整」を無効にしておくべきです。
 ちなみに、「縦線を譜表サイズに調整」する場合に本来あるべき小節線の位置は右図の通りです。私個人としては、小節線を下まで伸ばす場合は、大きい方の譜表の小節線の太さに合わせるべきだと考えているので、適切な仕様に改善されたとしても「縦線を譜表サイズに調整」は無効にします。

浄書雑感6 音友『佐藤慶次郎 ピアノのためのカリグラフィー』

 本記事は、 楽譜組版 Advent Calendar 2023 の22日目の記事です。  音楽之友社から「現代日本の音楽」という楽譜シリーズが出版されています。この楽譜シリーズは日本の現代音楽の楽曲を取り扱っており、"なんかスゴイ"楽譜が沢山あります。そう...