MuseScoreで通常のサイズの譜表と小譜表を同時に用いる時、注意すべき設定があります。MuseScoreのデフォルトでは、小節線は譜表サイズによってその太さが変わります。右図のように譜表が独立している場合であれば、MuseScore2であれば、小節線の太さが譜表サイズに準じていること自体は問題になりません。しかしMuseScore3の場合は、小節線の位置が不適切になってしまっています。
MuseScore2であってもMuseScore3であっても、譜表サイズによって小節線の太さを変えないように設定することを強く推奨します。特にMuseScore3.0.5の現状ではこの設定は必須です。「スタイルの編集」の「縦線」にある「縦線を譜表サイズに調整」のチェックを外すと、譜表サイズに依らず小節線の太さは一定になります。このチェックを外すことを強く推奨します。
「縦線を譜表サイズに調整」が有効になっていると次のような問題が発生します。
MuseScore2の場合、上図左のように小譜表が独立している場合は小節線が適切に配置されています。しかし小節線を下に伸ばすと、上図右のように小譜表の小節線のサイズが、下の譜表まで適用されてしまいます。従ってMuseScore2の場合は、上図右のように異なったサイズの譜表を小節線で一つにまとめる場合は、必ず「縦線を譜表サイズに調整」のチェックを外しておくべきです。上図左のように異なったサイズの譜表がそれぞれ独立している場合はその必要はありません。
MuseScore3の場合、太さの異なる小節線が全て左揃えになってしまっています。これは不適切です。上図右のように、小節線を下まで伸ばしても小節線の太さが譜表サイズに依るようになったのは改良点ではあります。しかし小節線の位置が全くおかしいため、上図左でも上図右でも使い物になりません。従ってMuseScore3では、いかなる場合でも「縦線を譜表サイズに調整」を無効にしておくべきです。
ちなみに、「縦線を譜表サイズに調整」する場合に本来あるべき小節線の位置は右図の通りです。私個人としては、小節線を下まで伸ばす場合は、大きい方の譜表の小節線の太さに合わせるべきだと考えているので、適切な仕様に改善されたとしても「縦線を譜表サイズに調整」は無効にします。
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