2018年12月6日木曜日

連符の括弧の設定

 連符の括弧の位置にはいくつかの流派があります。MuseScoreではデフォルトではこのような位置に括弧が置かれます。この位置に置かれるのは実際の出版譜ではあまりないと思います。

 まず、連符の括弧がどのような位置に置かれるかには何パターンか考えられます。その組み合わせでいくつかの流派に分かれると思います。
 連符の括弧の始点は左図のように、符頭の外側または中心に合わせる場合と、符幹に合わせる場合に分けられます。
 括弧の終点の場合も、符頭の外側または中心に合わせるか、符幹に合わせるパターンの他に、符尾が右に出っ張る時に符尾に合わせたり、符幹と符尾の中間地点に終点を置くパターンも見られます。
 連符の括弧の始点終点をどこに置くかについては、これらのパターンを組み合わせた様々な流派があると思います。



 MuseScoreの仕様上、一番お勧めするのは、原則符頭の外側に括弧の始点終点を合わせる流派です。この方式では符尾の上下に依らず連符の数字の位置が揃うというメリットがあります。私はこの流派で浄書をしています。

 この位置に括弧を置くには、右のように、スタイルの編集の「連符」にある、「音符からの水平距離」の数値を全て0にします。
 また適切なところに置かれるのなら、連符の括弧や数字が五線譜と被らないようにする必要はありません。「譜表を避ける」のチェックボックスは外しておく方が良いでしょう。

 日本の出版譜であれば、おそらく符尾に合わせる流派が多いでしょう。スタイルの設定でこれを設定するには、「符頭の前との間隔」と「符頭の後ろとの間隔」の数値をマイナス値にします。但しこのように設定すると、符尾に括弧を揃えるのが好ましくない場合もあります。そういうところは、個別に連符の括弧の位置を調節する必要があります。



 正直、私は専門家ではないので、プロの方が実際どのようなルールで連符の括弧の位置を定めているかは、分かりませんが、この部分は浄書家によって様々ですので、実際に楽譜を多く観察して、一番良いと思ったものを真似てみると良いでしょう。


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