MuseScore2編
「譜表の折り返し」段の末尾に置く小節を指定するのに「譜表の折り返し」を使います。パレットの「区切りとスペーサー」から、折れ線矢印の形をした「譜表の折り返し」を段の末尾にしたい小節にドラッグします。または「譜表の折り返し」を挿入したい小節を選択して、パレットにある「譜表の折り返し」をダブルクリックすることでも挿入が可能です。
このような譜例では、まず最初に一段に多くの小節を入れる必要があります。
デフォルトの状態より多くの小節を入れるには、全ての音符を選択して、インスペクタで「割振り」の数値をマイナスにすることで、MuseScoreの限界まで多くの小節を1段に入れられます。

まず適当な音符を右クリックして「選択」より「すべての類似した要素」をクリックすると、楽譜上の全ての音符を選択することが出来ます。

全ての音符が選択された状態で、MuseScoreの画面右にあるインスペクタの「割振り」の数値を、前後共に-1.00spにします。MuseScore3の場合は、「割振り」の項目が「後の間隔」が無くなって「前の間隔」のみになっていますが、前の間隔を-1.00spにすれば大丈夫です。
このようにすると、MuseScore2の場合は右図のように一段に尋常ではないほどに沢山の小節が入った状態になっているはずです。MuseScore3であっても、十分に多くの小節が一段に入っているはずです。

左図のように1段3小節ずつ入りました。
さて左図の赤く囲った部分をみると、臨時記号が前の音符に重なってしまっています。「割振り」の数値をマイナスにすると、こうした必要なスペースも削ってしまうのです。このような部分の「割振り」の数値は適宜戻しておきましょう。左図では、第8小節2拍目のFisの音を選択し、「割振り」の「前の間隔」を0に、そのひとつ前の音の「後の間隔」も0にすることで、臨時記号分のスペースは確保されます。

このようにして「譜表の折り返し」を使うことで、自由に1段に入れる小節数を決めることができます。
「ページ区切り」
これはページの最後の小節を指定します。使い方は「譜表の折り返し」と同様に小節の上まで「ページ区切り」をドラッグするか、ページの最後にしたい小節を選択した状態で、「ページ区切りをダブルクリックすることで使うことができます。
「セクション区切り」
例えばピアノソナタの場合に、第一楽章、第二楽章といったように楽章が変わる時に使います。私はあまり使わないので、詳しくは公式のハンドブックを見てください。
「譜表スペーサー(↑・↓)」
譜表・段の間隔を個別に調節する時に「譜表スペーサー」を用います。パレットから「譜表スペーサー」を挿入したい小節上にドラッグすることで、スペーサーを入れることが出来ます。

右図のように譜表の間隔が不十分な時に、譜表スペーサーを使うことで、譜表間隔を広げることが出来ます。

スペーサーの長さは、スペーサーをダブルクリックして矢印キーやCtrl+矢印キーで操作するか、もしくはスペーサーを選択した状態で、画面右にあるインスペクタでスペーサーの「高さ」の数値を変えることで調整することが出来ます。
MuseScore3編

「譜表スペーサー固定」
MuseScore3で新しく追加されたスペーサーに「譜表スペーサー固定」があります。MuseScore3の自動で間隔が広がる自動配置によって、間隔を広げることしかできない「譜表スペーサー(上・下)」の実用性はかなり薄くなりました。そこでMuseScore3では、段・譜表間隔を固定の値で指定できる「譜表スペーサー固定」が実装されました。「譜表スペーサー固定」は段・譜表間隔を広げるだけでなく、強制的に縮めることも可能です。これは「譜表スペーサー(下)」と同じように下向きのスペーサーとして使うことができます。
右図のように挿入したい小節にドラッグすることで、スペーサーを入れることができます。「譜表スペーサー固定」を使うことで、個別の段・譜表間隔を固定できます。「譜表スペーサー固定」を配置したところの段・譜表間隔は、スペーサーの高さを変えない限り、間隔が変わることはありません。
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・MuseScore脱初心者編 その3
・一段に多くの小節を入れる方法
・MuseScore3の新機能
・記号の衝突回避より大事なこと。

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