MuseScore脱初心者編 その3

第三頁

 第二頁では、五線幅に関する設定について記しました。五線幅を適正値にしても、今回の譜例では1ページに三段入れることは出来ませんでした。そこで、今回は「スタイルの編集」で設定を見直すことで、市販譜の体裁に近づけていきます。

 「スタイルの編集」の「ページ」でパート間の距離や段の距離を設定することができます。ここで、譜表の距離や、歌詞の上下の余白などを、より小さい値にすると、パート毎の間隔を狭めることができます。(歌詞の行高は歌詞のフォントによって適正値は変ってきます。)個別の譜表の間隔を広げることは後から別のツールで可能ですが、個別に狭めることはできないので、ここの数値は、最低限必要な程度の、より小さい数値にすることをお勧めします。



 さて「スタイルの編集」の「ページ」で譜表の距離を狭く設定すると、右図のように一つのページに三段入れることができました。ここで右図を見ると、今度はパート間の距離が狭すぎて、歌詞と強弱記号が被ってしまっています。こういった箇所は個別に間隔を広げる必要があります。

 また段の小節数に着目すると、上から7小節、8小節、6小節と、三段目が上二段よりも小節数が少なく、何となく密度が薄くなっているように見えます。一つのページではそれぞれの段の密度が、それぞれ均一になるのを目指します。そこで、上から一段に7小節ずつ割り付けます。
 編集画面左側にあるパレットの「区切りとスペーサー」を用いることで、個別のパートの間隔を広げたり、段の末尾にする小節を定めることができます。



 「区切りとスペーサー」は左図のように使用します。上矢印の記号(譜表スペーサー)を、間隔を広げたい譜表にドラッグすることで、上の譜表との距離を広げることができます。
 また左矢印のような記号(譜表の折り返し)を使うと、段の末尾にする小節を指定できます。
 譜表のスペーサーはデフォルトでは3.00spの高さで挿入されます。スペーサーの高さはインスペクタで変えることができます。スペースを十分に設け過ぎると、楽譜が入らなくなったりしますので、適度に高さを調節しましょう。



 譜表の折り返しや、譜表スペーサーを用いてレイアウトを整えると、右図のようになりました。ここまででようやく、合唱の楽譜の体裁に近づけたことだと思います。
 次回は歌詞のフォントや記譜フォントなどを設定します。





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