譜の割り付け
楽譜の浄書において、どの小節で段を改めるか、どの小節をページ終わりに置くかを考えることは大事です。特に楽譜のページ数が1枚で収まらない場合は、譜めくりの都合を考えなければなりません。できるだけ奏者が譜めくりできる箇所で、ページを変えるようにしましょう。ただし、実際の楽譜では全てのページにおいて都合良く譜めくりが可能であるとは限りません。どうしても譜めくりの可能な小節でページを変えることが出来ない場合もあります。それは仕方の無いことですので、あまり気にする必要はありません。また譜めくりの都合以外にも、音楽的・楽譜的な区切れに合わせて、割り付けを考えるべきです。1ページにどれだけの小節を入れるかは、浄書作業に入る前に決められるようにしましょう。
パート・段の距離

さて右図はあまり良くない浄書の例です。強弱記号に注目すると、強弱記号がどのパートに所属しているのかが、一目ではわかりません。所属するパートと強弱記号との距離が、他のパートとの距離と等しかったり、他のパートとの距離よりも離れてしまったりしてはいけません。かならず、強弱記号は所属するパートとの距離を、他のパートとの距離よりも近くにしなければなりません。

左図は見本の浄書例です。このように強弱記号がどのパートに属するかがわかる、必要最低限のスペースは空けるようにしましょう。
ページ全体の譜表間の距離の調整(スタイルの編集)
さてMuseScoreでの譜表間のスペースを調節する方法の一つに「スタイルの編集」より全体のスペースを調節する方法があります。メニュータブの「スタイル(S)」の「一般...」より「スタイルの編集」を開くことができます。「スタイルの編集」ウィンドウの左側にあるメニューの「ページ」により、譜表間の距離を含む、ページ全体のレイアウトに関する設定ができます。スコア上のパート間の距離は、「譜表の距離」の値を調整することで広げたり狭めたりすることができます。またピアノのような上下二段である大譜表の、上下二段間の距離は「大譜表の距離」で調節することができます。また段ごとの距離は、「最小段間隔」で段間隔の最小値、「最大段間隔」で段間隔の最大値を設定できます。次の「区切りとスペーサー」のところで後述しますが、スペーサーを使うことでもそれぞれの間隔を広げることが出来ますが、反対に間隔を狭める方法は「スタイルの編集」での設定以外にはありません。従って、ここでの設定は、通常と考えるパート・段の間隔を設定するのではなく、詰め気味のレイアウトでも困らないように最低限必要な間隔を設定することをおすすめします。
(うっかり下右図のSATBがS,A,T,BaritoneというBassに人権のない図を作ってしまいました。)
「区切りとスペーサー」

小節幅の調整
デフォルトの状態より一段に多くの小節を入れたい場合は、それぞれの小節の幅を狭めることによって多くの小節を入れることができます。小節幅を狭める方法は、狭めたい小節を選択した状態で、「Shift+{」または、メニュータブの「レイアウト(L)」より「間隔を狭くする」をクリックすることで、狭めることが出来ます。また小節幅を広げたい場合には、同様に広げたい小節を選択した状態で、「Shift+}」または、同じくメニュータブの「レイアウト(L)」の「間隔を広くする」をクリックすることで可能です。また、小節幅の値は、「小節のプロパティ」からも調整することができます。「小節のプロパティ」は調整したい小節の上を右クリックして「小節のプロパティ」を選択することで開くことが出来ます。「小節のプロパティ」の項目にある「その他」の「小節幅の伸縮」の値を調整することで、小節幅の調節が可能です。
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