MuseScore2浄書Hashiboso流 第一課

第一課 用紙・余白・五線の大きさ

同じレイアウトであれば、五線幅は大きい方が良い
 文字が大きい方が読みやすいように、楽譜も五線幅や記号等は大きい方が一般的に見やすいです。楽譜の編成によってそれぞれ適した大きさは変わってきますが、必要以上に小さい楽譜にするのは控えましょう。
 一般的にピアノ譜とパート譜は7mm、合唱譜は6mmの五線幅で書かれます。オーケストラのフルスコアは概ね5mm未満になることが殆どです。フルスコアを除けば、楽譜の五線幅が5mm未満になるのは小さすぎると思ってください。

用紙と余白と五線幅
 ここではA4用紙を基準に考えます。もし使用する用紙がこれより小さい場合は、余白及び五線幅を用紙に応じて小さくしても構いません。
 MuseScoreのデフォルトの余白は、出版譜と比べるとやや狭めです。私は全周15mmに設定しています。全周15mmで必要十分だと考えていますが、20mm程度の余白設定がより一般的だと思います。

ページの設定
 MuseScoreで用紙・余白・五線幅を設定するには、メニューバーの「レイアウト(L)」→「ページの設定」で行います。「ページサイズ」で用紙、「スケール」で五線幅、余白は奇数偶数ページで分けて設定できます。
 「スケール」の「譜表のスペース」は、五線のそれぞれの譜線の間隔を表しています。デフォルトでは1.764mmとなっており、これを4倍にすると7.056mmとなり、これは一般的な楽譜の五線幅(7mm)とほぼ同じになります。五線幅を6mmにしたい場合は、6÷4=1.5なので、「譜表のスペース」を1.5mmにすれば、五線幅を6mmにすることが出来ます。五線幅を5.5mmや5mmにしたい場合も同様に、それぞれ4で割った数値を「譜表のスペース」に入力すれば良いです。
 奇数ページ・偶数ページの余白をそれぞれ分けて設定できるため、製本時のノド(ページ見開き時のページ境目の部分)を考慮した余白も設定できます。また「最初のページ番号」で楽譜の最初のページを任意の数字から始めることができます。

「譜表のプロパティ」の「スケール」
 五線幅の調整は「譜表のプロパティ」からも出来ます。「譜表のプロパティ」を開くには、調節したい譜表の五線上を右クリックしてタブを開き、「譜表のプロパティ」を選択することで開くことが出来ます。「譜表のプロパティ」上の「スケール」の値を調整することで、譜表毎に五線幅を設定することが出来ます。例えば、ピアノ伴奏付き合唱曲の楽譜で、合唱パートを6mm、ピアノパートを5mmの五線幅に設定する場合、まず「ページ設定」の「スケール」を1.25mmに設定し、全体の五線幅を6mmにしてから、ピアノパートの「譜表のプロパティ」を開き、「譜表のプロパティ」の「スケール」を、83.4%に設定しましょう。このようにすることで、スコア上のそれぞれの譜表の五線幅を、個別で設定することが出来ます。


はじめに第一課第二課

0 件のコメント:

コメントを投稿

浄書雑感6 音友『佐藤慶次郎 ピアノのためのカリグラフィー』

 本記事は、 楽譜組版 Advent Calendar 2023 の22日目の記事です。  音楽之友社から「現代日本の音楽」という楽譜シリーズが出版されています。この楽譜シリーズは日本の現代音楽の楽曲を取り扱っており、"なんかスゴイ"楽譜が沢山あります。そう...