2023年12月4日月曜日

MuseScoreでカレンダーを作ろう

 本記事は、楽譜組版 Advent Calendar 2023 の4日目の記事です。


実は既に、FinaleとSibeliusでカレンダーを作っている方がいます。

『特殊な小節線、小節番号、カラー』 楽譜制作ソフト比較 7

当然MuseScoreでもカレンダーを作ることができます。

 カレンダーの1マスを小節に見立てると、日付は小節番号で表現できます。つまりMuseScoreでカレンダーを作ることができます。MuseScore 2 以降であれば、今回の方法でカレンダーを作ることができます。

今回は、MuseScore 4.1.1を使います。

MuseScoreはカレンダーを作るソフトである


 まず「新しいスコア」から単譜表の楽譜を立ち上げます。


 MuseScore 4 ではデフォルトで最初の段初に空白が設けられています。これはMuseScore 3.6以降の機能*で、スタイルの編集の「インテンド」を無効にすることで空白を消すことができます。

*MuseScore 3.5以前には無い機能ですが、元からある水平フレームで同じことができるので、本質的に不要な機能です。


 次に譜表プロパティを開きます。譜表を右クリックして表示されたメニューから譜表のプロパティを選択すると開くことができます。


 譜表プロパティを弄ります。譜線の数を2にして譜線間隔を広げて、音部記号や拍子記号を非表示にします。


 ついでにスタイルの編集で、段初に縦線を描写するようにします。


 そうするとこうなります。


 カレンダーっぽいマス目が出てきました。マスを7マス毎に改行し、段の隙間を詰めるには、パレットの「レイアウト」にある「段(譜表)の折り返し」や「譜表下固定スペーサー」を使います。MuseScore 2 の場合は「譜表下固定スペーサー」はないので、スタイルの編集で段間隔を0に設定します。


 カレンダーの日付は小節番号を利用します。MuseScoreでは小節番号を5小節ずつに表示する機能があります。1小節ずつに表示すれば全てのマスに小節番号を表示することができます。最初の小節に小節番号を表示するにはスタイルの編集で該当のチェックボックスを有効にします。

「音程」は、MuseScore 4 からの誤訳


 小節番号の大きさや位置はテキストスタイルの編集で調節できます。

テキストスタイルを編集することで、フォントの大きさや配置を調節する

 カレンダーでは毎月日にちがリセットされたり、ひと月の最初の段と最後の段には前の月や翌月の日にちが灰色で表示されたりします。MuseScoreは小節番号を途中で増減させることができます。編集したい小節番号の小節を右クリックして「小節のプロパティ」を開くことができます。

 「小節のプロパティ」の「小節番号の増減」を弄ることで、カレンダーの日にちの数字を変えることができます。


 カレンダーの土日祝日等の色を変えるべき数字は、プロパティ(インスペクタ)で色を変えることができます。譜面上に表示されている余計な全休符もプロパティ(インスペクタ)で非表示にすることができます。


 譜表テキストや段テキスト等を使って、曜日名や祝日を入れてあげれば、カレンダーの完成です。


 このように、MuseScoreに備わっている機能を活用することで、MuseScoreでカレンダーを作ることができます。MuseScoreの機能をよく理解するのに役に立つのでぜひやってみてください。


0 件のコメント:

コメントを投稿

浄書雑感6 音友『佐藤慶次郎 ピアノのためのカリグラフィー』

 本記事は、 楽譜組版 Advent Calendar 2023 の22日目の記事です。  音楽之友社から「現代日本の音楽」という楽譜シリーズが出版されています。この楽譜シリーズは日本の現代音楽の楽曲を取り扱っており、"なんかスゴイ"楽譜が沢山あります。そう...