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MuseScoreでは音符を打ち込んだだけの状態では、下図のように本来揃っているべきところの音符と音符の間隔が揃っていません。音符と音符の間隔を調節することをスペーシングといいます。


譜例では特に右図のように、「わん」という歌詞によって付点二分音符の左側が余分に空いていることがわかります。
一つの音符に二文字入っているところは、-1.00sp程度ではスペースを削りきらないので、そういったところは個別に音符を選択して「割振り」の数値を-2.00spぐらいにすると良いでしょう。

「割振り」の数値をマイナス値にすると、左図のようになりました。4小節目の「~わん な~」という歌詞のところが、より自然になったと思います。
さて今度は、左上図の赤枠の八分音符の符尾と、小節線との距離が近すぎてしまっています。これは「割振り」の数値をマイナス値にすると、余分なスペースを減らすと同時に必要なスペースも減らしているからです。スペースが必要な音符は、「割振り」の数値を元に戻します。

左上図の赤枠のところの音符は、「後の間隔」を-0.70spまで戻すと、右図のように適切にスペースを確保することができます。


小節幅の伸縮は、「Shift + [ or ] 」で出来ます。また音符のインスペクタの「割振り」の数値を増減させることでも、小節幅を伸縮させることができます。

さて右図の赤枠は、記号が重なってしまっています。記号を動かして調節をするのですが、マウスドラッグで動かしてはいけません。記号を動かすときは、キーボードの矢印キーや、インスペクタの「要素」の「水平位置」「垂直位置」の数値を弄って動かします。移動させたい記号を選択して「Ctrl + 矢印」を操作すると、一定分量ずつ移動させることができます。同様にインスペクタの水平位置・垂直位置を入力モードにした状態で、上下キーを押すと、一定分量ずつ数値を増減させられます。
譜例ではアルトが音符と歌詞が重なっているので、歌詞を下に下げて衝突を回避する必要があります。そのためアルトの歌詞を選択して、インスペクタの「要素」の水平位置・垂直位置で位置を下げます。
MuseScoreでは選択範囲を細かく指定して選択することができます。選択したいものを右クリックして「選択」の「詳細…」を開きます。すると右下図のようなウィンドウが開きます。楽譜のとある段のアルトの歌詞を全て選択する場合は、「同一の譜表」と「同一の段」にチェックを付けます。

さて記号の衝突を回避すると左図の通りです。この作業を残りの段もやれば、浄書作業は終わります。
さてMuseScoreで浄書する時にいくつか気をつけて欲しい、MuseScoreの悪い仕様があります。

強弱記号はMuseScoreでは、音符の符尾の上下によって、設置される水平位置が約0.3sp異なっています。そのため、デフォルトでは右図のように符尾の上下が異なる場合に、強弱記号の縦が揃わなくなっています。従って、揃えるためには、片方の強弱記号を0.3spずらす必要があります。

クレッシェンドやスラー等の線記号が段を跨ぐ時、MuseScoreではデフォルトで、線記号が小節線から約0.1sp分僅かに、はみ出してしまいます。印刷してもしっかり反映されてしまうので、0.1sp分線記号を縮める必要があります。

MuseScoreで、五線幅をページ設定の「譜表のスペース」の値を弄って縮めた場合、リピート記号の位置が若干ズレて配置されます。従ってリピートの二重線の位置を、インスペクタで修正する必要があります。
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