速度標語

メトロノーム記号や速度標語は、スコア全体または、ある程度まとまったセクション全体に掛かるので、垂直位置は、個別のパートに掛かるespr.やcantabileなどの発想記号や歌曲における強弱記号よりも上側のラインに配置します。速度記号を配置する時に、五線に近づけられる限度は、速度標語が一つ入るだけのスペースになります。これはおおよそ五線の間2つ分です。速度標語はスコア全体に掛かる記号なので、五線に近すぎることはあまりよろしくありません。
譜表テキスト

強弱記号
強弱記号は各パートの下側で、効果が開始する拍の左側に揃えます。歌曲の場合は上側に配置します。上側に配置する場合も下側に配置する場合も、五線より1間は空けておきます。
mfやpp等の強弱記号は、効果が開始する地点よりもやや左側に置かれることが良くあります。これにより音符を見る前に強弱記号が目に入るので、演奏する瞬間より前に強弱を意識しやすくなります。但し、cresc.やdim.といった記号は効果範囲より左側に置くことはほぼありません。
スコアで強弱記号の縦を揃える時にMuseScoreには気をつけるべきところがあります。MuseScoreの仕様では、符尾の上下によって強弱記号の水平位置が約0.3sp異なった位置におかれます。従って同じ拍で強弱記号の水平位置をそれぞれ0にしても、符尾の上下が異なっている場合には水平位置は揃っていません。片方の符尾の向きを基準にして、もう片方の向きの音符に付く強弱記号を0.3spずらす必要があります。
松葉

さてMuseScoreでは段末に小節で、段末から次の段に渡る線記号が、一見段末の小節線にぴったり合って配置されるように見えますが、実際には0.1sp分右にはみ出て配置されます。これは印刷した時にもしっかりはみ出ていますので、全て個別に修正する必要があります。左矢印一回分すなわち0.1sp分線記号を短くしましょう。
連符の括弧と数字


歌詞がつく場合

歌詞がつく場合は強弱記号が五線の上側に配置されますので、五線の下に配置するものが歌詞以外の記号ではかなり少なくなります。またアクセントやスラー等は歌詞があっても五線の下側に配置することが可能ですが、五線の下側のスペースが歌詞によって多くを占められるので、譜面のバランス上やむなく上側に配置することもあります(図のアルトのテヌートは本来は下側)。
歌詞がつく場合は特に、一つの譜表につく記号や歌詞などの要素が多くなります。どのような譜面であっても、演奏者が見なければいけない範囲はコンパクトである方が良いので、縦に広がりやすい歌曲は特に演奏者の目線に配慮しなければなりません。
オッターヴァ

オッターヴァの終点は効果が終了する拍よりも後ろ、効果が無くなった拍よりも前に配置します。オッターヴァの終点は、効果が終わる音符の直後に配置するか、音価分伸ばして配置するかの2つの配置の方法があると思いますが、Hashiboso流ではどちらでも良いと考えます。
前の段より続くオッターヴァも基本的には拍の左端もしくはそれに付随する記号の左端に揃えます。もしくは、タイやスラー同じように、拍より左側に配置することもあります。前から続くオッターヴァであることを示すために、オッターヴァに丸括弧を用いて(8)または(8va)のように表記することもありますが、Hashiboso流ではそれは不必要だと考えているために、括弧を用いることはありません。(スラーやクレッシェンドは効果範囲を示すことに意味がありますが、オッターヴァは個々の音の高さを定めることに意味があり、オッターヴァの範囲の中のある一点を見たときに、開始点を意識する必要はないので、前から続くオッターヴァに括弧を付ける必要はないと考えます。)
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